国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)が、最近とみにテレビなどから聞こえてくる。もちろん2030年までの国際社会共通の目標として否定しないし、一人一人が現状を見つめて行動に反映していかねばならない。それにしても「SDGs」の音がうそっぽく、薄っぺらに聞こえるのはなぜだろう▼昨年暮れ、地球規模での環境保護の大切さを絵とメッセージでつづった漫画「地球の秘密」が完成して30年を迎えた。作者の坪田愛華さん(享年12歳)=出雲市斐川町=は作品完成直後に急逝したが、地球の秘密を原作としたミュージカル「あいと地球と競売人」は、1994年の初演以来、県内外で35回公演されている▼あらためて「地球の秘密」を開いてみる。自然界の仕組みや環境破壊の現状を書き、世界平和や貧困解消が環境問題解決の糸口になると提起している。一ページごとに伝わってくるSDGsの理念。わずか12歳の少女が残した作品に心が揺さぶられる▼愛華さんの母校・出雲市立西野小学校の5年生128人は、2030年に世界がどのようになってほしいかを書いた紙を世界地図に貼り付けた。校区内にある出雲村田製作所の社員も紙を貼り保管。SDGs目標年の30年に開封するという▼缶を捨てるのは「過去」。拾うのは「未来」。缶を捨てる軽さと、缶を拾う重さを考えよう-。愛華さんの残した言葉をかみしめたい。(富)