新型コロナウイルスの感染急拡大で保健所の業務が逼迫(ひっぱく)する中、島根県と松江市が保健所への職員の応援態勢を強化している。第6波はこれまでにないスピードで感染が広がり、専従職員の一時的な増員や、市町村や大学にも協力を仰ぎ、総力戦で対応している。
各保健所は感染者の住所や症状、行動歴を聞き取り、濃厚接触者を突き止めて感染拡大を防ぐ「疫学調査」を担当。変異株オミクロン株により感染者数が急増し、保健所の職員だけでは手が回りきらなくなっている現状がある。
島根県は、28日時点で浜田への45人を筆頭に各保健所に計163人を派遣。県職員だけでなく、保健師や看護師の免許を持つ職員がいる市町村、島根大、県立大からも派遣してもらっている。派遣期間は派遣先の状況によって異なるが、おおむね1カ月以上の「中期」と3日程度の「短期」に分けた。
松江市は昨夏の第5波で1日最大8人だった松江保健所への派遣職員を、各部から1人以上出して1日28人に増員。一定期間専従して疫学調査にあたる職員は2人から14人に増やし、夜間にデータ入力をする職員はローテを組んで1日8人を送る。
新年度予算案の編成作業に加え、ワクチン接種やコロナ関係の給付金支給の事務作業もあり、人繰りは容易ではないが、市人事課の藤原雅輝課長は「全庁を挙げて感染拡大を食い止める」と話した。
(片山大輔)