今季、島根は安藤誓哉、金丸晃輔、ニック・ケイの新戦力が短期間でポール・ヘナレ監督のスタイルにフィットし、得点力が高く、ターンオーバーの少ないチームになっている。大阪はタレントがそろいながらも、攻守両面で遂行力に一貫性がないため、苦戦している印象だ。
2連戦で勝負を分けるポイントになるのは、両チームの3点シュートの出来と、島根が大阪のフィールドゴール成功率を45%未満に抑えられるかどうかだろう。
島根の「トランジションバスケット」でテンポの速い試合になる。攻撃のテンポが上がれば、互いにシュートの回数が増えるだろう。島根は今季敗れた8試合のうち7試合が、相手に45%以上のフィールドゴール成功率を許しているだけに、守備の質を高めたい。大阪のフィールドゴール成功率を抑え、70点台の失点で終われるかどうかが焦点となる。
2連戦のキーマンになる選手は、大阪はディージェイ・ニュービルで、島根はマッチアップが予想される白濱僚祐、ペリン・ビュフォード、阿部諒の3選手。島根がチャンピオンシップでより上位を目指すのであれば、「個の強烈な選手に対し、いかに守れるか」が問われてくる。ポイントガードのニュービルに対し、ボールを持っていない場面でも厳しく守ることが重要だ。余裕を持ってプレーさせないようにして、攻撃時間を消費させたい。
2連戦のポイントとして、分かりやすいのはオフェンス。パスでボールがよく動くゲームは見応えがある。両チームで3点シュート成功数が10本以上、アシスト数が23本以上になるかどうかに注目してほしい。
あおき・たかし 前橋市出身。大学卒業後、雑誌編集者として出版社に勤務。バスケットボール専門誌を7年間担当し、1998年秋、フリーランスとして独立した。12年間、米国でプロのNBAや大学のNCAAを取材。2011年から国内をベースに取材活動している。53歳。