島根は昨季の後半から守備と攻撃の切り替えが速いバスケットボールをしていた。今季は、そこに3点シュートという武器が加わり、攻撃に厚みが出た。
攻撃が好調なのは、ポール・ヘナレ監督が目指すバスケットにフィットする選手がそろったからだ。安藤誓哉やペリン・ビュフォードがボールを回し、リード・トラビスや金丸晃輔が守備を引き付けることで、外にオープンスペースが生まれる。オープンな状態でボールを持てば、ためらうことなくシュートを打つという雰囲気ができているので、シュート試投数が増えている。
通常は、「この選手が外したら仕方がない」と思えるような選手は1チームに1人いればいい方だが、島根には安藤、金丸、ビュフォード、トラビス、ニック・ケイと5人もいる。そこが大きな強みだ。
守備では、2点シュートはある程度許しているが、3点シュートは簡単に打たせていない。白濱僚祐や阿部諒が守備を頑張ることで、金丸のディフェンス面での負担を小さくしているのも大きい。ケイはインサイドで常に安定した力を発揮し、ファウルも少ない。
大阪戦の見どころは、マッチアップが予想されるディージェイ・ニュービルとビュフォードの駆け引き。前回の対戦は1勝1敗だったので、ビュフォードは雪辱に燃えているはずだ。特別指定選手として大阪に入団し、将来が有望視される高島紳司と金丸らの3点シュートの打ち合いにも注目したい。
ぼく・かずなり 岡山県出身。岡山学芸館高を卒業後、米国の独立リーグ、アメリカンバスケットボールアソシエーション(ABA)でプレー。島根スサノオマジックに練習生として入団し、2012~13年、13~14年シーズンに選手契約を結んだ。現在はバスケットボールコメンテーターとして活動している。34歳。












