議員全員協議会で回答案について説明する平井伸治知事=鳥取市東町1丁目
議員全員協議会で回答案について説明する平井伸治知事=鳥取市東町1丁目
議員全員協議会で回答案について説明する平井伸治知事=鳥取市東町1丁目

 鳥取県の平井伸治知事が24日の県議会全員協議会で、中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)について「一定程度の安全性が確保されている」と述べ、再稼働に事実上、同意すると表明した。原発30キロ圏内に位置する米子、境港両市は既に再稼働を容認済みで、鳥取県側の首長の同意表明が出そろったことになり、立地自治体の島根県の丸山達也知事による判断が焦点となる。(藤井俊行)

 平井知事は全協の冒頭、国の新規制基準に基づく中電の安全対策について、7項目の条件付きで了承すると説明。常に最新の知見を反映させて安全性を向上させ、今後の審査状況を鳥取県と米子、境港両市に報告することや、県、両市の意見に誠意を持って対応することなどを求めるとした。

 終了後の記者会見で平井知事は、大半の議員の賛同が得られたとして「再稼働に向けて入り口を開けたということだ」と述べ、中電が再稼働の手続きを進めることを容認する考えを示した。一方で「扉はまた閉まるかもしれない。安全対策が本当に履行されるのか、監視の目を光らせていく」と強調した。安全協定に基づき、週内にも事実上の同意を中電に回答するという。

 全協では全議員35人うち15人が発言。野坂道明議員(県議会自民党)が「2市の判断を重く受け止め、再稼働を認める知事の意見に賛同する」と述べたのに対し、山川智帆議員(無所属)は安全協定の改定手続きが未完了だと指摘した上で「まだジャッジ(判断)はできない。こんな無責任な話はない」と反対を主張した。

 再稼働に対する議員の賛否を問う採決はなかったが、山陰中央新報社の取材に対し、24人が賛成、4人が反対の意向を示した。態度を明らかにしなかった7人のうち、議長を除く6人は、再稼働の是非判断は時期尚早などと指摘。福間裕隆議員(会派民主)は安全協定の改定などこれまでの取り組みを評価しつつ、住民への理解が不十分として「急ぎ過ぎではないか。県の方向性を県民に丁寧に説明することが必要だ」との認識を示した。