腎センターが設置された透析室=米子市西町、鳥取大医学部付属病院
腎センターが設置された透析室=米子市西町、鳥取大医学部付属病院

 鳥取大医学部付属病院(米子市西町)が、泌尿器科と腎臓内科の医師を常時配置した「腎センター」を立ち上げた。包括的ケアで、腎不全などの患者にとって最適な治療を選択できる体制とし、専門医の育成にも力を入れる。地域住民らの高齢化により増加傾向にある腎疾患に対応する。

 センターは外来棟2階の透析室に設置し、外来、血液浄化、腎移植の3部門で構成。腎臓内科と泌尿器科の医師8人と看護師、臨床工学士などを含む、計15人によるチーム医療体制を整えた。両科はそれぞれ週100人程度の患者があり、科をまたがる重症化リスクのある患者にも包括的ケアで連携して当たる。

 腎代替療法の透析治療のほか、新型コロナウイルス禍でこの2年間計2例にとどまる腎移植は初年度3~5件の実施予定。透析専門医と腎臓専門医は鳥取県内でそれぞれ20人程度しかおらず、育成によりマンパワー不足の改善につなげる。

 引田克弥センター長(泌尿器科特命准教授)は「人材育成と重病予防を両立させることで、腎臓病診療の充実を図りたい」と話した。
      (坂本彩子)