ゲームの腕を競う「eスポーツ」が体験できる交流カフェと、学校に通えない子どもたちが勉強する学習塾が一体になった施設が、出雲市小山町にオープンした。時間帯によって機能を切り替えるという。どんな施設で、なぜeスポーツと学習塾の組み合わせなのか、実際に訪ねてみた。(Sデジ編集部・吉野仁士)

 

 施設は鉄筋コンクリート造2階建ての1階部分で、広さは約25平方メートル。施設に入ると、壁や天井、机まで、白色に統一した空間だった。入り口の正面にある机には「ゲーミングPC」と呼ばれる、高機能のパソコン6台と長時間着座しても体への負担が少ない構造の椅子「ゲーミングチェア」やヘッドフォンなどが並ぶ。どれもeスポーツ選手の動画配信や大会で、よく見る機器だ。

建物内は全体的に白く明るい印象。席には高スペックのゲーミングPCが並んでいる

 主に遊べるゲームはeスポーツの有名タイトルで、無料ダウンロードできる「エーペックスレジェンズ」「フォートナイト」「ロケットリーグ」など。10種類以上のゲームが体験できるほか、客がゲームを持ち込み、他の客と交流しながら遊ぶこともできる。

棚にはディスプレーとして各種ゲームが並べられており、ゲーム好きは雰囲気だけでワクワクする

 代表の高木栄尚さんによると、学習塾は「フリースクールたかきじゅく」として午前10時~午後3時、eスポーツカフェは「出雲eスポーツスタジアム」として午後4時~同11時に営業するという。ゲーム好きにとってはいろいろなゲームが楽しめる環境は魅力的だが、施設は学習塾としても利用するはず。勉強はどこでするのだろうか。高木さんは「同じ場所でしている。ゲームに勉強を取り入れた、自作の教材を使って学ぶことができる」と笑った。

 

 ▼ゲーム使ったオンライン学習塾で手応え

 高木さんは同市大社町修理免でも学習塾を経営し、中高生約100人を指導する。昔からゲームが好きで、ゲームを勉強に活用する手段を模索してきた。

ゲームを活用した学習塾について説明する高木栄尚さん。自身も大のゲーム好きだという

 射撃ゲームのフォートナイトの中で「島」と呼ばれる、自身の好きな仮想空間を作れるシステムを活用し、ゲーム内に勉強用の空間を作成。数学の空間ではキャラを操作し、ゲーム内の黒板に書かれた数式の問題を見つけ、実際に解いていく。

 社会の空間では「中国文明で占いなどに用いられた、漢字の基となった文字は?」といった歴史の問題と、三つ横に並んだ建物が表示される。問題文の横に「左:動物文字、中:ヒエログリフ、右:甲骨文字」と選択肢があり、正解の建物を選ぶと先に進める。勉強用の島は約40種類あるといい、生徒はあらゆる科目をゲーム感覚で、楽しみながら勉強できる。

高木さんが作成した、社会の授業用の「島」。正しい答えに対応した建物に入ると先に進める。間違った建物に入ると行き止まり

 ブライダル事業の「アンジェ・21」(出雲市浜町)が、高木さんの教材を生かしたオンライン学習塾「EGスクール」に取り組んでいて、...