湯の川温泉(出雲市斐川町学頭)が「日本三美人の湯」であることの根拠となった書籍を、温泉宿「松園」の北脇豊史さん(71)が入手した。1931年に鉄道省が発行した「温泉案内」で、肌を白くする湯として紹介されているのは、湯の川温泉を含む3カ所のみ。北脇さんは「宝物を見つけた気分だ」と喜び、貴重な資料を温泉街のさらなる発展につなげたい考えだ。 (藤原康平)
知人からの情報で書籍の存在を知り、約20年間探し続け、3月にインターネットオークションで手に入れた。文庫本サイズ全688ページに全国の温泉が掲載され、湯の川温泉については「湯は硼(ほう)酸を多量に含むので消毒剤に用いられ、また一浴すれば肌を濃(こま)やかにかつ白くする」と記述があった。「肌が白くなる」と書かれたのは、湯の川温泉のほかは龍神温泉(和歌山県)、川中温泉(群馬県)で、三美人の湯に数えられる温泉のみだった。
北脇代表は「この書物の記述が全国に広まったのではないか」と分析。これまでは理由の根拠が示せず、宿泊客に問われても確証を持って答えることができなかったが「これからは胸を張ってお知らせできる。これをきっかけに、島根県が打ち出している観光戦略の『美肌県』と結びつき、観光振興につながってほしい」と話した。













