松江城バイリンガルガイドを手にするダスティン・キッド准教授=松江市浜乃木7丁目、島根県立大松江キャンパス
松江城バイリンガルガイドを手にするダスティン・キッド准教授=松江市浜乃木7丁目、島根県立大松江キャンパス

 国宝天守のある松江城(松江市殿町)の海外向け初の入門書「松江城バイリンガルガイド」が発刊された。日本語と英語を併記し、松江城の特徴や日本の城郭の歴史を紹介。分かりやすい文章で城郭の魅力へといざなう。

 松江市は愛知県犬山市の犬山城、長野県松本市の松本城とともに「近世城郭の天守群」として世界文化遺産登録を目指している。機運醸成に海外への発信が欠かせないと、松江城研究の蓄積を分かりやすく伝えるガイドブック制作に着手し、発売した。

 松江城の特徴を理解する前提知識として日本の城郭の歴史を踏まえる。弥生時代の堀や土塁を巡らした環濠(かんごう)集落を起源とし、戦乱の多い中世に険しい地形を生かした山城が出現。近世に権力の象徴として高層の天守を備えた城が登場した流れを伝える。

 松江城天守については山陰両県で唯一現存する天守で、内部の進行方向が幾重にも曲がり、敵の侵入に備えた実戦的な構造になっていると解説する。国宝指定のきっかけが完成年を記した祈祷札の発見だったことや江戸期に描かれた絵図から読み取れる松江城下町の様子も紹介している。

 英訳は県立大のダスティン・キッド准教授(異文化理解)が担当。日本文化になじみのない外国人に理解しやすいよう直訳は避ける工夫をしたという。歴史用語には補足説明も加えた。

 キッド准教授は「持ち歩いて城の見学を楽しむにはもってこいの内容になっている」と広く手に取ってもらうことを願う。

 冊子は70ページ、A5判。税込み550円。今井書店や、ぶらっと松江観光案内所などで購入できる。