さっくりした軽い食感が特徴のスコーン(手前)=米子市東町、ブルーバード
さっくりした軽い食感が特徴のスコーン(手前)=米子市東町、ブルーバード

 昨年お届けした「心身にやさしい」山陰両県のお店を紹介した企画「はるかほのやさしいお店巡り」の第2弾。今回は米子市東町のスコーンと紅茶の「blue bird(ブルーバード)」を紹介する。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 

▷さっくり軽い食感のスコーン
 ブルーバードはJR米子駅のほど近くにあり、爽やかな青色の外装が目印。店主の上川操(みさお)さん(45)が「青空を飛ぶ鳥のように自由に」との思いを込めて名付けた店で、手作りのスコーンと紅茶を販売している。営業時間は正午から午後6時。日、木曜日定休。

ブルーバードの外観。爽やかな青色が目印だ。

 店で8種類のスコーンを販売している。卵を使用せず、さっくりと軽い食感が特徴。定番の「プレーン」「塩チョコ」「紅茶オレンジ」に加え、春は桜の塩漬け、夏はレモン、秋はサツマイモ、冬はショウガなど季節を感じる食材を使用したスコーンもある。時季によってさまざまな味を楽しめる。スコーンは250~300円。

 紅茶は芳醇(ほうじゅん)な香りが特徴のディンブラや爽やかな香りのウバなど4種類を用意している。カップが450円、ポットが580円。香り豊かながらもスコーンと合う、すっきりとした味わい。スパイスをブレンドしたチャイやハーブティー、ジュースも販売している。

ブルーバードで販売しているスコーン(手前)と紅茶

 定番の「プレーンスコーン」を食べてみた。運ばれたスコーンを手に持つと、ほんのりと温かい。焼きたてのスコーンはさっくりと香ばしく、素朴で優しい味わいに癒やされた。サービスで添えられたバターやジャムを付けると味に変化を付けられる。シンプルな味わいのスコーンは何を付けてもぴったり合うと感じた。

 上川さんは「気負わず手軽に作ることができるよう、材料をシンプルにしている。日常的で暮らしに寄り添ったものを提供したいと思った」とこだわりを話した。卵を使わないのは「食べた時に重たい感じがしないスコーンを作るには、卵を使わない方が良いと思った」と説明する。確かに、ブルーバードのスコーンはパクパクと食べてしまいそうな、さっくり軽い食感が魅力だ。

▷ゆったりと落ち着ける空間を
 上川さんが初めてスコーンを口にしたのは約20年前。鳥取県内の紅茶専門店で、紅茶と一緒に味わったという。上川さんは「クッキーでもパンでもない、不思議な感じだった」と振り返る。紅茶については「茶葉の産地によって色合いや香り、味わいが違って面白いと感じた」と話した。

「blue bird(ブルーバード)」店主の上川操さん

 店を開く前、上川さんは保険会社で営業を担当していた。仕事や家事のかたわら、自宅でスコーンを作り始め、魅力を感じるようになったという。上川さんは「香りの良さに癒やされたり、子どもたちが喜んでくれたりして、次第にスコーン作りが趣味になった。もし自分のスコーンを販売するならこんなお店がいいな、と空想して楽しんでいた」と振り返る。

 店を開く際はスコーンとともに紅茶も提供したいと、紅茶に関する勉強も進め、2012年に店を開いた。上川さんは「華やかさよりも、ゆったりと落ち着ける空間を作りたかった」と店作りへの思いを話す。店内は木目調のナチュラルな雰囲気に仕上げ、カウンター正面の壁一面には本棚を設置する。スコーンや紅茶、ライフスタイルに関する本を中心に並べている。おいしいスコーンと紅茶を味わいながら自由に読書を楽しめる店内は、近隣住民や子育て中の母親の息抜きの場にもなっているという。

店内の様子。壁一面に並んだ本からお気に入りを選び、スコーンや紅茶と一緒に楽しめる。

 未経験で飲食店を開くことに周囲の反対もあったというが「だめだったらどうしようといった不安は不思議となかった。自由にやりたいという気持ちの方が強く、インプットしてきたことを形にしていくのが面白かった」と上川さん。上川さんが長年の夢を形にした「ブルーバード」は、自宅でおやつを食べているかのような癒やしや、のびのびとくつろげる安心感を味わうことができる店だと感じた。