【安来】安来市立荒島小学校(島根県安来市荒島町)の5年生23人が30日、明治期に荒島地区の広田亀治(かめじ)(1839~96年)が品種改良したコメ「亀治米」の田植えを体験した。いもち病に強くて収量が多く、昭和初期まで西日本各地で栽培された品種。病害に悩む農家を救った先人に児童が思いをはせた。
亀治米は農薬の普及や食味に優れた品種の登場で廃れたが、地区住民が県外の研究機関に残っていた種もみを分けてもらい1995年に復活させ、荒島小の古里学習にも取り入れられた。稲の丈が高いのも特徴で、農家の原田吉郎さん(65)=安来市西赤江町=は地元の神社のしめ縄用に栽培しながら伝承する。
児童は原田さんの水田2・1アールで荒島地区活性化推進協議会メンバーから亀治米について聞き、自分で育てた苗と原田さんが用意した苗を植えた。10月に収穫を体験する。細田瑞姫(みずき)さん(10)は「足がはまって歩きにくかったが、楽しかった。亀治さんが研究してできた米なので、うまく育ってほしい」と話した。
(桝井映志)