江戸時代、松江藩の鉄師を務めた田部家によるたたら製鉄の操業が25日、雲南市吉田町吉田の市和鋼たたら体験交流施設で始まった。26日に砂鉄が溶けてできた塊を取り出す「鉧(けら)出し」を行う。
操業は、第25代当主田部長右衛門氏(42)が社長を務める田部(雲南市吉田町吉田)が2018年、約100年ぶりに復活させ、7度目となる。
14人の一般参加者らを前に田部氏は、復活させた「田部家のたたら吹き」は鉄を作るだけでなく、「自然と一体となって進めていく事業」と説明。たたらと深い関わりを持つ山を起点に「(豊かだった頃の)自然の循環に戻していく気持ちでたたらを吹いてほしい」とあいさつした。
製鉄炉に火入れした後、社員が炉に木炭を入れると、勢いよく炎が上がった。準備した木炭800キロ、砂鉄600~700キロを交互に入れる作業を続ける。
出来上がった鉄は、刃物やゴルフ用パターに加工して販売する。
(狩野樹理)