6月中旬、中ロの軍艦がこぞって日本列島を周回した。この中ロによる威嚇行為で想起されるのは、140年前の朝鮮半島である。朝鮮の危機は1860年、南下政策をとる帝政ロシアが清朝と「北京条約」を結んで、ロシアと国境を接した時に始まった。

 そこで清朝の外交官の黄遵憲は80年に『朝鮮策略』を著して...