島根県庁
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 島根県が12日、1日の確認数としては過去最多となる1271人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。家庭と学校などを介した感染に歯止めがかからず、松江、出雲両保健所管内で計956人、益田保健所管内でも182人を確認。感染力の強いオミクロン株の亜種「BA・5」が県全域に広がったとみられ、県は検査手順を一部省略するなどして医療機関の負担軽減を図る。鳥取県でも過去最多の429人が感染し、国内で報告された新規感染者数は7万人を超えた。
       (白築昂)

 島根県感染症対策室によると、県内では家庭で親から子どもへ感染し、学校や保育園などで広がる傾向があるという。

 直近1週間の感染者数(人口10万人当たり、11日時点)は781・4。6日時点でみると、年代別は18歳以下が1222・6人と突出し、30~49歳が709・3人、19~29歳が656・9人。6月27日~7月10日に発生した感染者集団(クラスター)は48件で1週間単位で過去最多となり、学校が18件、児童福祉施設が13件に上った。

 感染者数の急増に伴う医療逼迫(ひっぱく)を防ごうと、県は松江、出雲両保健所管内の医療機関を対象に、感染者の家族や濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合は「みなし陽性」とし、医師の検査を省略する。

 自宅療養者が4千人を超え、希望者への生活支援物資(食料品など)の配送が滞っていることから、5日分の食料やトイレットペーパーの備蓄を、県民に要請した。

 飲食店の利用人数の要請についても、隠岐地域を除く県全域を最大4人までとするよう制限を強め、利用時間は最大2時間、県認証店は3時間とする。

 12日に発表した感染者数は11日確認分で、保健所別でみると、松江512人が最多で、出雲444人、益田182人、浜田59人、県央39人、雲南30人、隠岐5人と続く。クラスターは松江市で計5件発生した。

 丸山達也知事は「桁外れの数字だ。この状況が続けば、重症や中等症の患者が一気に増える可能性もある。極めて深刻に受け止め、緊張感をもって対応する」と述べた。