スマートフォンが普及し、通勤電車で新聞紙をめくる姿は、めっきり減った。ネットメディアが広がる中で、ニュースの伝え方、受け取り方はどう変わるのか。手探りが続く現状を追った。

■ヤフーニュース 読者との接点握る巨人

 東京都豊島区に住む女性会社員(37)の朝は、ニュースサイト「ヤフーニュース」のチェックから始まる。主要記事の見出しを眺め、気になる記事はコメント欄にも目を通す。「頭がぼーっとしていても気軽に読める。娯楽のような感覚」。昼休みや帰宅時など1日に何度もサイトを訪れる。

 ヤフーニュースには新聞、テレビ、通信社など約670のメディアが1日計7500本程度の記事を提供。国内最大級のポータルサイト「ヤフー」の検索窓のすぐ下に、政治、経済、エンタメなど多彩な記事が並ぶ。月間の閲覧回数は東京五輪・パラリンピックが開かれた昨年8月に最多の230億回を超えた。報道各社が運営するニュースサイトと比べれば2桁、3桁の差があり、他を圧倒する...