西洋名画に関する誤解のいくつかを挙げよう。

 まずタイトルだが、近代になるまで画家本人が付ける例はほとんどなかった。注文主や画商や美術館が便宜的に付け、世界中で受け入れられて初めて定着するのだ。時には映画がタイトルを決定づけることさえある。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」はずっと「青いターバンの少女」として知られていたのに、前者の名を冠し...