山陰両県の高校生が探究学習の成果を発表する「山陰探究サミット」が26日、松江市内であった。両県10校の生徒80人が身近な生物の生態解明といった自然科学分野から、社会・政治課題まで各自が設定したテーマの研究について意見を交わし、学びを深めた。 (勝部浩文)
探究学習は自ら考え実行に移す力を養う活動で、両県でも取り組む学校が増えている。サミットは昨年度に続いて2回目の開催で、1~6人の計26班が15分の持ち時間で発表した。
出雲高校の生物班の5人は、夏の宍道湖で悪臭や水質悪化の原因になっているアオコの抑制に、ヨモギを活用する研究に取り組んだ。ヨモギは生育範囲を広げる際、他の植物の生育を抑える「アレロパシー物質」を出すことが知られており、この抽出液を使えないかと考えた。
研究は過去の関連論文を調べる文献調査から始め、アオウキクサの増殖実験でヨモギの抽出液を入れると繁殖がほぼ抑えられることを確認し「ヨモギのアレロパシーには栄養生殖を阻害する能力がある可能性がある」と考察した。
松江東高校3年の宮本凛さん(17)は書道の魅力を伝える活動を発表した。地元の小学5、6年生158人に実施したアンケートを基に、きれいに書き写す「書写」が多くの子どもに敬遠され、書道人口の減少を招く一因と指摘。自由に書ける「書道」を伝えるため書道パフォーマンスの体験イベントを8月に開催する計画を披露した。
発表後は生徒同士で活発に質疑応答し、島根県立大の教員らが講評を加えた。