気温の高い日が続くと食欲減退や体のだるさを感じる。食欲がなくても食べやすく、手軽に作れる「夏バテ解消レシピ」を山陰中央新報文化センター料理講師の三阪和栄(よりえ)先生(57)に教えてもらった。(Sデジ編集部・宍道香穂)

旬の野菜をふんだんに使ったサラダ、薬味が効いたさっぱりとした味わいのどんぶり、栄養満点のカレーの計3品を紹介する。
▷焼きサラダのらっきょうドレッシングかけ
材料(4人分)
新ジャガイモ1個、ズッキーニ1本、オクラ4本、ベーコン40グラム
オリーブ油大さじ1、塩、あらびきこしょう各少々
サニーレタス、ミニトマト各適量
らっきょう漬け5個、マヨネーズ大さじ4、ポン酢大さじ1

作り方
① 新ジャガイモをよく洗って8等分に切る。クッキングシートに包み600ワットの電子レンジで3分加熱する。クッキングシートを使うとまんべんなく蒸すことができ、柔らかくなる。
② ズッキーニ、オクラ、ベーコンを一口大に切る。
③ ミニトマトを半分に切る。
④ サニーレタスを食べやすい大きさに手でちぎる。
⑤ らっきょうをみじん切りにしてマヨネーズとポン酢を混ぜる。
⑥ フライパンにオリーブ油を敷き、ベーコン、野菜の順に焼く。ひっくり返しながらまんべんなく火を通し、焼き目が付いたら塩・こしょうを振りかける。
⑦ 器にレタスを敷き、焼いた具材とミニトマトを盛りつけ、⑤で作ったらっきょうドレッシングをかけて完成。

しっかり加熱したズッキーニやオクラの焼き野菜は柔らかく、香ばしい。大ぶりに切ると食べ応えがあり、みずみずしい食感も楽しめる。ドレッシングは濃厚だが、らっきょうの甘酸っぱさでさっぱり感もあり食べやすい。
ほかの野菜と比べて火が通りにくいジャガイモは、焼く前に電子レンジで加熱すると調理時間を短縮できる。また、焼き野菜は炒め野菜と比べ、きれいな形を保ったまま加熱できる。まんべんなく火が通っていながら、みずみずしさは残っていて見た目も食感も楽しめるサラダだ。
▷生ふりかけ豆腐ごはん
材料(4人分)
ごはん4杯分、木綿豆腐1丁(400グラム)
きゅうり1本、オクラ4本、ナス5センチ、青じそ10枚、新ショウガ2かけ、みょうが3個、昆布4センチ角
濃い口しょうゆ大さじ3、本みりん大さじ2、酢小さじ1
一味唐辛子、かけしょうゆ各適量

作り方
① 本みりんを耐熱容器に入れ、ラップをかけず600ワットの電子レンジで1分加熱する。アルコール分が飛び、まろやかな味になる。
② 濃い口しょうゆ、酢、加熱したみりんを混ぜ合わせ、昆布を浸しておく。
③ 豆腐を2センチ角に切り、冷蔵庫で冷やしておく。
④ きゅうり、青じそ、ミョウガを5ミリ角に切る。しょうがは3ミリ角に切る。
⑤ ナスを5ミリ角に切りって水に浸し、アクを抜く。水を切り、②で作った調味料をまぶす。
⑥ オクラのへたとがくを切り除き、塩をまぶす。まな板の上を転がすようにこすって産毛を取り、沸騰した湯でゆでる。ゆでたらさっと水にくぐらせ、5ミリ角に切る。
⑦ 調味料に浸しておいた昆布を取り出して3ミリ角に切る。
⑧ 調味料をまぶしておいたナスを絞って水けを切る。
⑨ 野菜と昆布、調味料を密閉袋に入れてもみ混ぜ、冷蔵庫に1時間置く。
⑩ 温かいごはんの上に豆腐を乗せ、⑨で作った「生ふりかけ」をかけて完成。好みに応じて一味唐辛子やかけしょうゆで味を調整しながら食べる。

夏野菜や薬味を、だしで味付けした「生ふりかけ」はさっぱりとおいしく、豆腐やごはんとの相性がぴったり。冷たい豆腐と温かいごはんの組み合わせにびっくりしたが、食べてみると良い組み合わせで驚いた。昆布のだしが出た調味料はやさしい味わいで、ミョウガや青じそ、しょうがの風味がさわやかで、アクセントになっている。
三阪先生は「生ふりかけはごはんや冷ややっこにはもちろん、そうめんの薬味としても使える」と紹介した。オクラやモロヘイヤといった「ねばねば野菜」には胃の粘膜を保護する働きがあり、夏バテで弱った胃腸の回復が期待できるという。
▷夏カレー
材料(4人分)
もち麦ごはん4杯分
豚ミンチ肉300グラム、ナス2本、トマト1個、トウモロコシ1本、タマネギ2個
バター20グラム、塩小さじ2分の1
油大さじ2、おろしニンニク、おろししょうが各小さじ2
カレー粉大さじ2、ケチャップ、ウスターソース、濃い口しょうゆ、赤ワイン各大さじ4

作り方
① タマネギをみじん切りにして耐熱容器に入れ、バターと塩を加える。ラップをかけずに600ワットの電子レンジで2分加熱する。取り出してバターが均等になじむように軽く混ぜ、再び5分加熱する。
② ナスとトマトを乱切りにする。トウモロコシは実をそぐように切り離す。
③ カレー粉、ケチャップ、ウスターソース、濃い口しょうゆ、赤ワインを混ぜ合わせる。
④ フライパンに油、ニンニク、しょうがを入れて中火にかける。火が通ったら豚ミンチ肉と、調味料、加熱したタマネギを入れて炒める。
⑤ トマト、ナス、トウモロコシを加えて炒める。ふたをしてナスに火が通るまで煮込む。もち麦ごはんの上にかけて完成。

電子レンジでタマネギを加熱することで、炒める手間が省ける。加熱する前に塩を加えるとタマネギがより早く柔らかくなるという。塩だけでなくバターも入れて加熱すると、バターに含まれる油でおいしさが増す。
今回紹介したカレーは水を加えず、野菜などの水分を使って煮る。キーマカレーのようなペースト状のカレーで、ナスやトマト、トウモロコシの旬の野菜のうまみを存分に味わえる。ニンニクやショウガ、カレー粉のスパイシーな香りが食欲をそそるため、暑さで食欲が減退している人にお薦め。
また、豚肉にはエネルギー源となるたんぱく質、体内でのエネルギー生成を補助するビタミンB1が含まれ、疲れた体をパワーアップできる。ごはんにもち麦を混ぜると食物繊維やビタミンB1、ミネラルを補給できる。

電子レンジや密閉袋、クッキングシートを活用して、手軽においしい料理を作れるのがうれしい。食欲がなくなると料理をする気力もなくなり、栄養のある食事をとるのがおろそかになってしまう。暑い夏を元気に乗り切るには食生活を整えることが大切。ナスやトマト、トウモロコシ、オクラといった旬の野菜は値段が手ごろで栄養もあるため、積極的に料理に取り入れたいと思った。