13日の全国高校野球選手権大会2回戦で浜田は、有田工業(佐賀)を5ー3と逆転で下し、18年ぶりの初戦突破を果たした。両校とも開幕前に部内で新型コロナウイルスの集団感染が確認されたため、療養期間を経ての対戦。夜行バス17台で駆けつけた生徒や保護者、野球部OBら約1400人の浜高応援団は「逆境を乗り越えよく戦った」とナインをたたえた。
一回表に1死二、三塁から内野ゴロの間に先制される苦しい展開。コロナ禍の3年間ひた向きに野球に打ち込み、出場間近での感染にも焦らず準備を続けた部員たちの姿を知るマネジャーの杉野芽生さん(18)=3年=は「まだまだこれから。すぐに逆転するに決まってる」とグラウンドを見つめた。
三回裏に敵失で同点となり、続く波田瑛介選手が中前適時打を放ち逆転。一塁ベースでガッツポーズする姿に母の弥生さん(47)=浜田市上府町、会社員=は「チャンスでよく打ってくれた」と、ひときわ大きくメガホンを振った。
有田工業はしぶとく、五回に同点とされた。重苦しいムードを吹き払ったのは高木和輝選手の一打。六回裏無死二、三塁から右前2点適時打を決めると、三塁側アルプス席のムードは最高潮に。「与えられたチャンスを大事にしろ」と甲子園出発前に声をかけた父の康之さん(53)=江津市嘉久志町、公務員=は「ナイスバッティング」と感無量の様子だった。
2番手の森井空翔投手が最後の打者を併殺打に仕留めた瞬間、メガホンが打ち鳴らされ、歓喜の輪が広がった。父の祐太さん(38)=岡山市、会社員=はコロナで練習が制限された中での粘り強い投球に「バックを信頼して良く投げてくれた」とねぎらった。
(宮廻裕樹)