3年ぶりに開催された松江水郷祭。新聞社内の抽選で当たり、有料席の一角で観覧できた。約1時間、1万500発の花火を堪能しての帰り道、もう一つうれしい出来事があった▼公衆トイレ前のベンチで、連れ合いと交代で荷物の番をしながらトイレに行き、帰ってきて少し話をしていたら、ベンチの反対側に座っていた若者が、友人に促されサッと席を譲ってくれた。しかも「(気付かず)どうもすみません」と断りまでして▼ベンチに座りたくて空くのを待っていたわけではなく、連れ合いが席を立つのにもたついただけだったのだが、高校生だっただろうか、5、6人の若者の爽やかな行動、態度に感激した。「今時の若いもんは」と年寄りはいつも文句を言うが、「今時の」の次に続くのは「年寄りは」なのかもしれない▼7月から放送されているACジャパンの公共広告。コンビニのレジ待ちの列を舞台に、ラッパーの呂布(りょふ)カルマさんや高齢者、店員が互いを思いやるラップを披露する。<誰も怒ってなんかいない あんたのペースでいいんだ><焦ったらまさかのやさしい発言 あたしも反省 見た目で判断>と続く。<たたくより、たたえ合おう>と呼びかける▼だがレジの列に割り込む老婦人、障害者用駐車枠に車を斜めに突っ込み、どこに障害?と思うほど確かな足取りで店に入る老夫婦…。傍若無人な行動は高齢者に多いのでは。(富)