コロナ禍の2年余り、特段の行楽もなかったので、7月末に地元1泊2日の旅を計画し実行した。玉造温泉(松江市)に泊まり宍道湖を一周する行程。非日常の気分に浸ろうと自家用車は使わず鉄道を利用した。子どもはみな成人し夫婦だけの気ままな旅▼JR松江駅を出発して玉造温泉駅で下車、駅前の湯町窯に立ち寄って器などを見た後、温泉街まで歩いた。玉造は職場の忘年会でよく泊まったが、私的には初めて。地元の幸を生かした料理と「美肌の湯」に癒やされた▼翌日はJRと一畑電車を乗り継ぎ出雲大社へ。出雲そばの昼食後、再び一畑電車に乗り松江しんじ湖温泉駅に向かった。車窓から眺める出雲平野や宍道湖が新鮮だった。一畑口駅では進行方向が変わるスイッチバックを久しぶりに体験。途中下車し、十数年ぶりの松江フォーゲルパークでフクロウショーに歓声を上げつつ子育て時代を懐かしんだ▼1年前の今ごろ、津和野中学校3年生の投稿が本紙に載った。コロナで1年ずれた上に県内となった雲南・出雲修学旅行についてつづっていた。「日帰りだけど充実していた」「最高の思い出ができた」。生徒を気の毒に思ったことが恥ずかしくなるくらい、有意義な旅だったことが伝わってきた。豊かな感受性に触れ、自分もいつかはと考えていた▼残り少ない夏に何かイベントをと思案している人がいたら古里再発見の旅はいかが。(輔)