みずほ銀行でシステム障害が収まらない深刻な事態となっている。銀行システムの持つ預け払いや送金の機能は社会を支える基盤であり、今回の事態はそれを脅かす深刻な危機だ。障害を繰り返すみずほ銀は社会基盤を担う責任感を欠いていると言え、金融庁は再発防止へ強い監督指導へ乗りだすべきだ。

 メガバンクの一角を占めるみずほ銀のシステム障害は、この2週間で4度に及ぶ。最初は2月28日で、全国の現金自動預払機(ATM)のうち最大で8割以上の4318台が停止。全面復旧には翌3月1日までかかった。

 原因についてみずほ銀は、2月28日に実施した定期預金に絡む45万件のデータ移行などでシステムに想定を上回る負荷が生じたためと説明。この障害ではATMに挿入したまま戻らなくなったキャッシュカードや通帳が計5244件に上り、利用客に多大な不便が生じた。藤原弘治頭取は「(顧客への)対応が不十分」だった点を認めた上で、「二度と起こさないとの強い決意の下、再発防止に全力を尽くす」と強調した。

 この時点でみずほ銀の危機対応に問題があることを自ら認識していたわけであり、それにもかかわらずその後の障害発生を防げなかった経営陣は、システムを安全に運用する責務を内心軽んじていたと言わざるを得まい。

 みずほ銀ではその後、3月3日と7日にも障害が発生し、ATMやインターネットバンキングが一部使えなくなった。

 そして11日深夜には4度目の新たな障害が発生し、国内他行向け外貨建て送金で約300件の処理が4~5時間遅れる事態となった。本来作動するはずのバックアップ機器への切り替えもうまくいかなかったという。

 みずほ銀は過去にも、再編発足時の2002年4月と東日本大震災直後の11年3月に深刻なシステム障害を起こし、いずれも金融庁が業務改善命令を発出。この障害を機に同行では4千億円以上を投じて新たなシステムを構築し、19年に稼働させた。

 その新システムの下で今回の障害は発生した。システム自体にトラブルの原因があるのか、それともその運用、ひいてはみずほ銀の企業風土が障害を招いているのか。その点を突き詰めなければ再発防止も失墜した信用の回復もあり得ず、顧客離れを防げないだろう。

 そのためには監督当局である金融庁の役目も重要である。

 この間の障害に対応して金融庁は、銀行法に基づく報告命令をみずほ銀とみずほフィナンシャルグループに出し、障害の詳しい原因や再発防止策などを求めている。

 障害発生が収まらず4度に及んだことから、再度の業務改善命令を含む行政処分を視野に入れているとみられる。

 事態改善へ向けたみずほ銀経営陣の能力に疑問符が付く現状であり、金融庁は過去にも増して強い姿勢で監督指導へ当たるべきだ。メガバンクの一角で異常事態が長引けば、海外から日本の金融システム全体へ不信の目が向けられることになりかねない。

 みずほ銀の経営陣が責任を取るのは当然である。同行は4月1日付で予定し、既に発表していた藤原頭取の交代を延期する調整に入った。障害発生の責任明確化と合わせて再考が求められよう。