ふすまに描いたしだれ桜の作品を紹介する渡利章香さん=大田市温泉津町小浜、清水大師寺
ふすまに描いたしだれ桜の作品を紹介する渡利章香さん=大田市温泉津町小浜、清水大師寺

 ふすまや石、和紙などをキャンバスにして、花に関する絵に俳句を添えた作品を並べた「華曼荼羅(はなまんだら)展」が、大田市温泉津町小浜の清水大師寺で開かれている。寺の尼僧の渡利章香(しょうこう)さん(50)と、大学同期の俳人でアロマセラピストの巫(かんなぎ)依子さん(49)=広島県尾道市=が50歳の節目に開こうと長年温めていた企画で、大小さまざまな作品が来場者を和ませている。 (曽田元気)

 渡利さんと巫さんは近畿大文芸学部の同級生で、ともに芸術を専攻した。30代半ばの頃、作品展の開催を約束していた。

 作品は、温泉津焼や尾道産の大皿小皿、和紙や石に渡利さんが花の絵を描き、巫さんの花にまつわる句をつけた。本堂や写経室、宿坊など寺全体に約100点を並べる。

 日本海や温泉津の町並みを一望できるお寺カフェの一室では、ふすま4枚に渡利さんと次女で大田高校3年の華子さん(18)が描いた寺のしだれ桜に、多くの人が訪れる清水大師寺を詠んだ「海からの風呼ぶしだれ桜かな」の句が記された作品がひときわ目立つ。

 会期は、始まりと終わりを2人の誕生日に合わせ8月4日~12月9日とし、月10日程度のお寺カフェ開催日に鑑賞できる。

 渡利さんは「鬱屈(うっくつ)する世の中だが、四季折々の花の作品をリラックスして鑑賞してほしい」と話した。

 10日は特別企画として、御詠歌を聞いたり願いを書いた絵馬を奉納したりし、持ち帰り弁当もある「観月会」を午後6時半から開く。定員40人で参加費4千円。連絡先は清水大師寺、電話0855(65)3000。お寺カフェ開催日は寺のホームページに記載。