英国の風景を紹介する山本正英さん=松江市朝日町、一畑百貨店
英国の風景を紹介する山本正英さん=松江市朝日町、一畑百貨店

 【松江】英国の風景をテーマにした山本正英さん(73)=東京都在住=の洋画展が松江市朝日町の一畑百貨店で開かれている。色鮮やかな建造物と自然風景を描いた28点が、コロナ禍で渡航が難しくなった海外の開放的な雰囲気を伝え、旅情をかき立てている。14日まで。

 山本さんは20代でのフランス留学で、きらびやかな海外の絵画に圧倒された。その後は50回以上、アイルランドやスコットランドを訪れて創作を続ける。人工的に作られた「建造物」は形を崩さずそのまま描写し、川や空などの「景色」には自身の感じる英国のイメージを投影させる作風を作り上げた。

 松江市ゆかりの文豪・小泉八雲が幼少期を過ごしたアイルランドの風景を描いた作品「ゴールウェイの流れ」では、中央に描かれた川などを暗く描き、日本よりも緯度が高く天候が崩れやすい同国の独特の空気感を落とし込んだ。山本さんは「心揺さぶられる作品を見つけてほしい」と話し、来場を呼びかけている。

(坂上晴香)