奏楽に合わせ、熱心に稽古する神楽部の生徒と児童=雲南市大東町南村
奏楽に合わせ、熱心に稽古する神楽部の生徒と児童=雲南市大東町南村

 雲南市立海潮中学校(大東町南村)の神楽部員たちが、27日にある須我神社(同町須賀)の例大祭前夜祭に向け、稽古に励んでいる。毎年公演しているが、今年は部員が6人と少ないため初めて海潮小学校の児童と共演する。地元社中のメンバーから指導を受け、世代を超えて地域に伝わる神楽を舞い続ける。

 海潮中がある海潮地区内には4社中あり、子どもたちは幼い頃から神楽に親しんできた。一方で今年は海潮中の新入生がおらず、神楽の人員確保に苦慮。小学校に出演を打診して、6年生3人の参加が決まった。

 例大祭では、鈴や刀を手に舞う「陰陽」と、出雲神話のヤマタノオロチ伝説を題材にした「簸の川大蛇(おろち)退治」の2演目を披露する。

 12日は中学校で稽古があり、地元社中のメンバーから指導を受けながら、部員5人と小学生3人が一緒に「簸の川-」を練習した。小中学生は熱のこもった演技を披露し、太鼓と鉦を奏でた。

 「簸の川」でアシナヅチ役を担う6年、新田友章君(12)は「中学生とも仲良くなれるし、神楽もうまくなれる」と笑顔。オロチ役を務める3年の錦織ひより部長(15)は、小学生の協力に「心強く演技できている」と話し、指導する社中のメンバーや地元住民に練習の成果を見せると意気込む。

  (狩野樹理)