おおやまの歴史について話すアリス・ゴーデンカーさん(左)=出雲市斐川町福富、出雲キルト美術館
おおやまの歴史について話すアリス・ゴーデンカーさん(左)=出雲市斐川町福富、出雲キルト美術館

 日本の山々をテーマにしたキルトの企画展が開かれている出雲キルト美術館(出雲市斐川町福富)が、外国人向けに英語ガイドツアーを開いた。山陰両県などに住む7カ国の21人が、作品説明に耳を傾け、築200年の古民家を改装した美術館の風情を楽しみながら、日本文化に対する理解を深めた。

 美術館を拠点に活動する雲南市のキルト作家・八幡垣睦子さんが制作した作品など10点を見て回り、米国人で山陰インバウンドアドバイザーのアリス・ゴーデンカーさん(神奈川県在住)が解説した。

 このうち、鳥取県の大山からてんぐが飛来したと伝わる大山(おおやま)(神奈川県伊勢原市)をテーマとした作品についてゴーデンカーさんは、てんぐは半分は人間で半分はカラスのような見た目をし、山の守り神と信じられていると紹介。「大山(おおやま)という名称の由来になった」と話した。

 観光プロモーションを研究するカナダ出身で北九州市立大准教授のロドルフォ・デルガドさん(50)=福岡市在住=は、出雲市駅から電動自転車に乗って美術館に足を運んだ。キルトの美しさとともに、道中の田園風景も素晴らしかったと振り返り「私の周りの人にも出雲へ行くよう勧めたい」と話した。

 秋季企画展「麗しき日本の山々」展は11月29日まで。

 (井上雅子)