国際的な核軍縮・不拡散の礎石とされる1970年発効の核拡散防止条約(NPT)。そもそもの狙いは、77年前、最初に核兵器を製造した米国と、2番目に開発したソ連(現ロシア)が「核クラブ」のメンバーを制限することにあった。

 「70年までに(米ソ英仏の)四つの核保有国が10に、70年代には15~25となる可能性がある。この上ない潜在的なリスクであり、害悪である」。63年3月21日、当時の米大統領ケネディは記者会見で核保有国が何倍にも増える「核カオス(混沌(こんとん))」に警鐘を鳴らした。

利害共...