益田市の石見神楽社中・石見神楽上吉田保存会がこのほど、大阪府豊中市の市立文化芸術センターで公演した。両市が2013年7月に締結した「空港で結ぶ友好都市提携に関する協定」に基づく交流事業で、来場者千人が勇壮な舞を堪能した。
豊中市には大阪(伊丹)空港、益田市には萩・石見空港があり、期間限定の大阪便が就航している縁で相互交流を続けている。「日本遺産 石見神楽の舞」と題した公演は益田観光への機運醸成を狙いに両市が主催した。
上吉田保存会は「鈴ヶ山(すずかやま)」と「大蛇(おろち)」の2演目を披露。鈴ヶ山では鬼が客席の出入り口から登場する演出があり、来場者が間近で迫力ある所作や面、豪華な衣装を堪能。大蛇は八頭立てで勇壮に演じた。
上吉田保存会の上角正憲会長(38)は「両市の交流促進に貢献する思いで社中の16人が心一つに公演した」と話し、益田市空港対策室の沢江美弘室長は「来場者へのアンケートで『益田に帰省したい』『益田を訪れたい』という意見が寄せられており、ありがたい。交流が広がれば幸いだ」と期待した。
(中山竜一)