島根県内の各分野で、地域社会の発展に尽くした人を顕彰する山陰中央新報社の地域開発賞表彰式が26日、松江市内のホテルであり、5賞6部門の受賞者が、決意を新たにした。
受賞したのは上ケ迫定夫さん(68)=スポーツ賞、浜田市生湯町▽佐倉真喜子さん(86)=文化賞、島根県西ノ島町美田▽秦明徳さん(76)=教育賞、松江市法吉町▽渡辺祐二さん(66)=産業賞第1部門(農林畜水産)、浜田市熱田町▽安部寿鶴子さん(64)=同賞第2部門(商工・観光・建設)、松江市上本庄町▽三原一郎さん(75)、恵子さん(75)夫妻=社会賞、出雲市佐田町大呂。
表彰式で山陰中央新報社の松尾倫男社長は「長年地道に活動された」とたたえ、表彰状と副賞を贈った。
受賞あいさつで、東京五輪で入賞した三浦龍司さんをはじめ、陸上選手の育成に携わる上ケ迫さんは「これからも子どもと同じ目線で指導をしたい」、西ノ島町とロシアなどとの国際交流に尽力した佐倉さんは「自分たちがやらなければ変わらないことがたくさんある」と力を込めた。
子どもたちに科学の楽しさを伝える秦さんは「自然に触れ、五感を通して直接感じさせることを大切にしてきた」と述懐。「どんちっちアジ」のブランド化や品質維持に取り組む渡辺さんは「浜田からPRし、斜陽といわれる水産業を盛り上げたい」と誓った。
道の駅で先駆的に商品開発や移動販売に取り組む安部さんは「『一番』『初めて』にこだわって事業を続ける」と明言。8人の里子を受け入れた三原さん夫妻は、大人になった里子と続く交流に触れ「簡単ではなかったが、やってきてよかった」と笑顔を見せた。
(広木優弥)