「起業家の卵」としてアイデアを形にした松江市の高校生の発表会が30日、市内であった。17組が登壇し、新ビジネス創出を目指す市内の官民組織から資金援助を受けて取り組んだイベントなどについて、実行の成果や苦労を報告した。
起業の芽を育てようと、産官学金連携で新ビジネス創出を目指す「MATSUE起業エコシステム推進会議」が、高校生のほか、大学生、高専生に1プラン上限5万円を援助。
このうち高校生を対象にした発表会で、松江東高3年の中西凜さん(18)は、小学生から続ける茶道を広めようと、留学生向けイベントと高校の文化祭で体験の場を設けた成果を語った。
「少しでも興味を持ってもらえた」と手応えを口にし、さらに来場者の声で多かった和菓子が味わえるイベントの開催や、抹茶がより気軽に楽しんでもらえるよう「抹茶アート」などの新たな試みを模索。「文化を大切にし、観光につなげる仕事に就きたい」と夢を描いた。
このほか、書道人口の拡大、高校生バンドの活発化、学食が休止されたという学内の問題から発案した地元企業の弁当販売など、多彩な成果発表があり、約100人が高校生たちのアイデアや奮闘ぶりに拍手を送った。
(片山大輔)