Sデジで情報を集め書き込んだワークシートとともに、専門家の話を聞く生徒=島根県津和野町後田、津和野高校
Sデジで情報を集め書き込んだワークシートとともに、専門家の話を聞く生徒=島根県津和野町後田、津和野高校

 デジタルを活用した学習環境の充実を目的に島根県津和野町後田の津和野高校で8日、山陰中央新報デジタル(Sデジ)を活用した授業があった。生徒が記事検索機能で津和野出身の文豪・森鴎外を調査。理解を深めた上で専門家の話を聴き、鴎外が現代人に与えた影響を考えた。

 同校は2020年から情報通信技術(ICT)の活用を進め、全校生徒が1人1台パソコン型の端末を持つ。同日は検索機能を使い学びを深めようと、2年生(35人)の倫理の授業で実施した。

 Sデジは21年4月から山陰中央新報に掲載された記事と、直近2週間分の紙面イメージを閲覧でき、生徒たちは鴎外をキーワードに記事検索。「まんじゅう茶漬けが好物」「本名は森林太郎」「今年は没後100年」などと情報収集し、画面上のワークシートに書き込み共有した。

 その後、地元の郷土史家・山岡浩二さんもオンラインで授業に加わり、鴎外の生涯や津和野への愛着について説明。生徒たちは文豪が地域に及ぼした影響を話し合った。

 2年の大畑鈴乃さん(17)は「知らない情報がいっぱいあった。記事に見出しがあるので探しやすかった」と話した。オンラインを通じ遠隔で授業を担当した益田高校の武藤立樹主幹教諭(50)は「Sデジは遠隔授業においては、紙よりも使いやすい。生徒にとってもより深い学びにつながったのではないか」と振り返った。

 (藤本ちあき)