動画の一場面(奥出雲町農業遺産推進協議会提供)
動画の一場面(奥出雲町農業遺産推進協議会提供)

 2月に世界農業遺産の候補地となった奥出雲町のたたら製鉄が生んだ資源循環型農業を、紹介する動画の配信が始まった。棚田形成の過程のほか、仁多米をはじめとする農産品の生育など、町の基盤となった歴史と現状が分かる内容となっている。
 奥出雲町は、たたら製鉄の原料となる砂鉄を得るための鉄穴(かんな)流しで尾根を削った跡地に整備された棚田で栽培する米、鉄の運搬を担った牛を改良した和牛などが知られる。2019年には、農林水産省の日本農業遺産に認定された。
 町農業遺産推進協議会が制作した動画では、和牛のふんが肥料として農地に散布され、仁多米やもち、日本酒といった農産品へとつながる流れを紹介。実際の鉄穴流しやたたら操業の様子も盛り込みながら、たたらによって生まれた資源を地域内で循環させ、発展してきた経緯を提示した。
 6分39秒。奥出雲町ホームページから視聴できる。
 (狩野樹理)