【奥出雲】島根県奥出雲町の小学校5、6年生115人が1、2の両日、鳥上小学校(奥出雲町大呂)の古代たたら体験学習工房でたたら操業を体験し、郷土の伝統技術の魅力に触れた。
1日、斐伊川の水を引き込んで砂鉄と砂を分ける鉄穴(かんな)流しや炭を5、6センチに切る炭切り、粘土を用いた炉作りを体験した。
2日午前8時過ぎから本操業が始まった。児童は交代で送風装置、ふいごを動かして炉に空気を送り、最高温度約1300度に達する炉の上部から砂鉄と木炭をそれぞれ1キロずつ交互に投入した。
木炭を入れた瞬間やふいごの勢いが強い時には、炎が1メートル近く燃え上がった。約8時間半かけて、砂鉄約150キロ、木炭約200キロを投入した。
たたら製鉄の技術者の指導で、炉を少しずつ壊し、炉の中にできる鉄の塊の〓(金ヘンに母)(けら)を取り出した。八川小6年の松崎晃人君(12)は「炎が怖かったけど、頑張ってできた。人の力だけで鉄を作っていた昔の人はすごい」と話した。
体験学習は町教育委員会と小学校でつくる実行委員会が2004年から毎年、開いている。
(山本泰平)