国譲り神話にちなんだ「諸手船(もろたぶね)神事」が3日、松江市美保関町美保関の美保神社と近くの美保関漁港であり、氏子たちが船を勇壮に漕(こ)ぎ、五穀豊穣(ほうじょう)と大漁を祈願した。
神事はオオクニヌシノミコトが国譲りの意向を、同神社の祭神・コトシロヌシノミコトに確認するために、船で使者を送ったという言い伝えに由来する。
白張(しらはり)と烏帽子(えぼし)を身にまとった9人の氏子が2隻の船に乗り込み、「ヤーヤー」とかけ声を発しつつ漕ぎ、対岸のオオクニヌシを祭る客人(まろうど)社に向かって拝礼。引き返して岸に戻ると、櫂(かい)を使って威勢良く海水を掛け合った。
大阪府摂津市の講師、梶原豊さん(63)は「寒い中、熱気を感じた。神話の世界を間近に見た気持ち」と声を弾ませた。
新型コロナウイルス感染防止のため、町民などが踊りながら町を練り歩くホーライエッチャは中止した。
(佐貫公哉)