松江市袖師町の島根県立美術館で開催中の日本伝統工芸展(山陰中央新報社など主催)が25日に閉幕する。会期終盤の21日も、精巧な技と創造性を駆使した作品が来場者を魅了した。
69回目の開催で陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で、人間国宝の作品を含む271点を展示。山陰両県からは12人の作家が出品した。
日本工芸会総裁賞に選ばれた河野祥篁さん(大分県)の木竹工作品「透網代花籠(すかしあじろはなかご)『朝露』」は、精緻に隙間をしつらえつつ編み上げた黒籠で、表面に映る鮮やかな光沢が目を引く。
来場した松江市奥谷町の松浦敏郎さん(67)は「どうやってこんなに細やかに作れるのかと思う作品ばかり。伝統の技のすごみを感じる」と話した。
24日は諸工芸の川辺雅規さん(出雲市)、25日には日本工芸会理事で漆芸の金城一国斎さんによる作品解説がある。いずれも午後2時から。
(佐貫公哉)