8月に96歳で亡くなった島根県吉賀町出身の世界的ファッションデザイナー・森英恵さんの追悼特別展が22日、益田市有明町の県立石見美術館で始まった。森さんがデザインした同館収蔵のオートクチュールのドレスなど32点が華やかな雰囲気を漂わせ、来館者を引きつけている。2023年1月29日まで。 (藤本ちあき)
森さんは生前、「ファッション」を収蔵の柱とする同館に助言。15年には女性アテンダントの制服デザインを手がけた。
追悼展は米国やパリで活躍した1964~2004年制作の収蔵品が並ぶ。トレードマークのチョウを大きくあしらったシルクのシフォン仕立てのドレスや、金の帯地を用いたショートドレス、映画で浅丘ルリ子さんが身に着けた衣装など、優雅で軽やかな作品が目を引く。
森さんの東京都内の店舗で配布されていたフリーペーパー「森英恵流行通信」や、洋裁誌の連載記事も展示。南目美輝学芸課長は「森さんの長いキャリアの中で幅広く制作された作品をじっくりと見ていただきたい」と来館を呼びかけている。
浜田市瀬戸見町の大学2年生、石倉菜花さん(20)は「一点一点存在感があって圧倒された。本当にきれい」と話した。
期間中の1月21日には森さんの長男顕さんが「わが母・森英恵の思い出」と題して講演する。休館日は火曜日と今月29日~1月3日。観覧料は一般300円、大学生200円、高校生以下無料。