庵寺古墳群で発掘した箱式石棺=出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館
庵寺古墳群で発掘した箱式石棺=出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館

 島根県立古代出雲歴史博物館(出雲市大社町杵築東)で、企画展「私たちが掘りました! |しまねの発掘調査30年ー」が27日に開幕する。県埋蔵文化財調査センターが設置されて30年を記念する事業で、数々の発掘に携わった調査員が逸話や思い出を振り返り、見どころを紹介する。2月12日まで。

 出雲大社の宇豆柱など、常設を含む42遺跡の計457点を展示。センターの歩み、発掘調査、調査成果の公開・活用の3テーマで構成する。

 調査員が発掘ごとに思い出を寄稿したガイドブックとともに読み進めるスタイル。弥生時代の西川津遺跡(松江市)で1984年に見つかった「結合式釣針(けつごうしきつりばり)」は、西九州との関わりを伝える貴重な発見といい、ガイドブックで調査員が、同年に荒神谷遺跡(出雲市)で出土した大量の銅剣に劣らない国宝級の発見と評価。強い思いが伝わる。

 庵寺古墳群(大田市)で発掘した古墳時代前期の箱式石棺や、原田遺跡(島根県奥出雲町)の県最古の旧石器なども展示する。

 センターの深田浩管理課長は「調査員がどう考え調べてきたのか、思いを見てほしい」と話した。

 展示は午前9時~午後5時で、1月17日が休館。一般620円、大学生410円、小中高生200円。1月14日、2月4日の午前10時からはセンターの卜部吉博元所長と広江耕史元所長による講座、午後2時からはギャラリートークがある。いずれも事前申し込みが必要(先着順)。
      (松本直也)