演目「鈴鹿山」で客席から登場する鬼=益田市下種町、種公民館ふれあいホール
演目「鈴鹿山」で客席から登場する鬼=益田市下種町、種公民館ふれあいホール

 【益田】約170年の歴史があり、益田市東部の種地区を拠点に石見神楽を継承する種神楽保存会(伏谷秋義代表、18人)が3日、地元の種公民館ふれあいホールで「新春神楽鑑賞会」を開き、地元住民ら約100人が伝統の舞を楽しんだ。

 種神楽保存会は「鍾馗(しょうき)」と「恵比須(えびす)」が市の無形民俗文化財に指定されており、2019年5月に認定された文化庁の日本遺産「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」の構成文化財にも選ばれている。

 今回は新型コロナウイルスに見立てた鬼を退治する演目を主に公演。神事舞の「神迎(かみむかえ)」に始まり「天神」「鈴鹿山」「塵輪(じんりん)」「鍾馗」「大蛇(おろち)」の6演目を披露した。

 鈴鹿山では、鬼が客席裏手の出入り口から5匹登場し、観客が盛んに拍手を送った。父親と訪れた益田市立匹見中学校1年大谷恒太さん(13)は「鈴鹿山で鬼がいっぱい出たところが楽しかった」と話した。

(中山竜一)