山盛りの白米の中に若松の枝を立て、昆布で米をすくって五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「松三宝(まつさんぼう)」が24日、島根県西ノ島町浦郷の常福寺であった。高野山(和歌山県)に伝わる行事で、住民10人が今年の安寧を願って、手を合わせた。
高野山で修行した柴田輝住職(36)が旧暦の1月3日、寺に祭られた毘沙門天を祈る行事に合わせて昨年から取り入れた。「松三宝」は祝い事の行事で、正月だけでなく年に何回も行う時があるという。
柴田住職が町内から家内安全を願って寄せられた木札を拝んだ後、全員で読経した。続いて柴田住職が箸で昆布をつかみ、米をすくって年齢の高い順に参加者へ渡した。昆布と米は各家庭に持ち帰り、炊飯に混ぜて食べると御利益があるとされる。
近くに住む広中和子さん(86)は「昔は正月に寺でくじを引く行事があった。今回、初めて参加したが珍しい」と話した。
(鎌田剛)













