境港市で積んだトレーニングの成果を発揮し、セーリング男子フィン級で東京五輪出場を決めた瀬川和正(大阪府出身、米子産業体育館)。同市では、選手の指導もしており、親交がある人も多い。地元関係者からは「一番(金メダル)を取って、笑顔が見たい」と期待の声が聞かれた。 (藤原康平)
大阪府堺市出身の瀬川は、鳥取県セーリング連盟の勧めに応じて2015年春から境港市を練習拠点にしている。以前は関西でアルバイトをしながら練習していたが、境港公共マリーナ(境港市新屋町)の練習環境の良さが決め手になったという。当時から付き合いのある同連盟の阿部幸久強化部長(37)は「コロナ禍の中、いいニュースを届けてくれてうれしい。まずは、お疲れさんと伝えたい。五輪は万全の状態で臨んでほしい」とエールを送った。
同マリーナでは、小学生から一般までの選手が練習に励んでいる。その中でも瀬川の練習量は群を抜いていた。国民体育大会の出場経験がある池淵砂紀さん(23)は、ストイックな練習姿勢が印象に残っているといい「1人でも追い込んでトレーニングをやっている。あれだけやってれば、(五輪出場決定は)当たり前かな」と話す。
五輪出場決定は、瀬川から指導を受けたことのある選手たちにとっても大きな励みになった。
米子工業高等専門学校電子制御工学科2年の山〓(崎の大が立の下の横棒なし)朝陽さん(16)は「船の走らせ方や体の動かし方についてアドバイスを受けたことがある。(五輪出場決定は)さすがだなと思った」と笑顔で話し、境高校3年の新見誘章(ゆうき)さん(17)は「瀬川さんは憧れの存在。自分のことのようにうれしい」と喜んだ。