3月末で閉校し、150年の歴史に幕を閉じる大田市立池田小学校(大田市三瓶町)で5日、最後の学習発表会があった。保護者や住民約100人が見守る中、児童たちが地域の伝統芸能「田植え囃子(ばやし)」を披露し、会場の体育館は感動の渦に包まれた。
児童たちは冒頭、希少植物のヒロハノカワラサイコの植栽など、地元の自然を生かした学びの数々を発表。写真とともに学校の歴史を振り返り、閉校後の校舎活用について島根県外事例を踏まえながら、農業研究所や公園、宿泊施設にしてはどうかと提案した。
続いて、17人の児童が放課後や音楽の時間に練習を重ねた田植え囃子とオリジナルの「千本桜」を披露した。力強く、しなやかに太鼓を打ち鳴らし、笛の音色を響かせるとアンコールの声。大きな拍手が鳴りやまず、大田市大田町の無職和田聡さん(69)は「涙が止まらなかった。最高です」と感動しきりだった。
池田小は4月、川合小と統合。太鼓リーダーの6年、三谷咲妃さん(12)は「一番いい演奏ができた。何らかの形でこの伝統をつなげたい」と話した。
(曽田元気)