古希を過ぎて、身体に障害を抱える身になっても、意気軒高と言ってもらえるのは「地域金融・中小企業金融の変革支援」活動を共にする全国の仲間たちから常に刺激を受けているからだ。

 この活動のデビュー戦は、本邦でコロナウイルスが発見された直後、2020年1月18日の松江市である。島根県信用保証協会が主催する「経営支援・再生支援担当者のためのシンポジウム」において、「地域金融変革運動体全国会」として共催者に名を連ねた。

 このシンポジウムには、北は北海道、南は宮崎と全国から志を同じくする人たちが手弁当で集結し、知見を披露しあい、意見交換し、ネットワークを形成した。その後、全国各地でポストコロナに向けた金融機関や信用保証協会などによる総力戦連携のセミナーやシンポジウムなどが開かれているが、その原型は松江にあると業界人たちは異口同音に言う。

 松江シンポジウムのパネルディスカッションでファシリテーターを務めた橋本卓典さん(共同通信、視点論点執筆者)はもとより、登壇した3人のパネリストは東奔西走で中小小規模事業者の支援活動を行なっている。

 パネルディスカッションの席上、パネリストの一人、奥山真司さん(諏訪信用金庫、当時は支店長)の発言、「お客さまのためにならない目標は本部からなんと言われても絶対にやりません」には強い感銘を受けた。ためにならない目標を拒否しても総合点を軽々とクリアする奥山支店長にはお客さまからの強力な支持がある。昨年正月のNHKクローズアップ現代でも放映された通り、とことん...