農林水産省が先月末に2022年の農業物価指数(概数)を発表した。これは20年を基準(100)とした指数で、生産資材は116・6と2年間で大幅に上昇したことがわかる。特に肥料が130・5、飼料は138・0と上昇幅が大きく、農業者の経営状況を悪化させる要因となった。昨年6月のコラムで肥料危機を取り上げたが、その時よりも状況はさらに厳しくなっている。

 肥料価格の高騰の要因としては、食料増産のための国際的な肥料需要の増加、肥料輸出国の輸出制限、ロシアのウクライナ侵攻、円安などの要因が複雑に絡み合っている。円安については一時に比べて少し落ち着いた感があるが、食料需要は今後も長期的に増加が予想され、ウクライナの問題も長期化の懸念がある中、以前のように「安い輸入肥料を大量に調達する」というモデルは限界を迎えつつある。

 輸入肥料の高騰に向けた対策は主に二つある。一つ目が施肥量の適正化である。平成の肥料危機の際にも指摘されていたが、...