【浜田】浜田市内の石見神楽社中、保存会10団体による「日本石見神楽大会」が5日、同市黒川町の石央文化ホールであった。新型コロナの影響により3年ぶりの開催で、待ちわびた神楽ファン約1200人で会場は超満員。各社中がおはこの演目を熱演し観客を沸かせた。
石見神代神楽上府社中による、国譲り神話を題材にした演目「鹿島」で幕開け。相撲の起源とも言われる神同士の激しい立ち合いや、衣装の早変わりで観客を圧倒した。周布青少年保存会は、源頼政の鵺(ぬえ)退治を描いた「頼政」を披露。猿に扮(ふん)した舞手7人が観客に向かってあめ玉を投げたり、客席を駆け回ったりと愛嬌(あいきょう)たっぷりに演じ楽しませた。
大会の最後は、東京都の国立劇場で昨年上演した「大蛇(おろち)」を30頭で再現した。舞台上を埋め尽くす圧巻の舞に会場は大きな拍手で包まれた。浜田石見神楽社中連絡協議会の長冨幸男会長(76)は「3年ぶりの大会で会場も満席となり、各社中が例年以上に張り切って演じていた」と喜んだ。
大会は、市内の石見神楽関係者らでつくる実行委員会が開いた。
(中村成美)