カーリングの魅力を語る近江谷杏菜選手(左)と山口剛史選手=浜田市殿町、市役所
カーリングの魅力を語る近江谷杏菜選手(左)と山口剛史選手=浜田市殿町、市役所

 カーリングのトップ選手2人が11日、浜田市役所に久保田章市市長を訪ね、存廃に揺れる「サン・ビレッジ浜田」アイススケート場(浜田市上府町)を活用した競技の普及やまちづくりについて提案した。

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 2人は、平昌(ピョンチャン)五輪に出場した現役日本代表の山口剛史選手(38)=SC軽井沢クラブ=と、バンクーバー五輪出場の近江谷杏菜選手(33)=フォルティウス。日本カーリング協会のアスリート委員派遣事業で、サン・ビレッジ浜田で11、12の両日開催される「第4回西日本ミックスカーリング大会」の視察に合わせて表敬訪問した。

 前日に浜田市入りし、リンクを下見した山口選手は「大きな大会もできる施設だ」と評価。「競技人気は高まっており、選手を呼び体験会を開けば大勢参加してもらえる」と期待した。

 近江谷選手は北海道など北日本で盛んな理由について「寒いからではなく、施設があるから」と強調。リンクがある浜田なら普及できるとの考えを示した。チーム拠点の札幌市ではリンクの予約が取れないほど人気だといい、高齢者の楽しみや観光客の体験の場としての活用も紹介した。

 久保田市長は「カーリングを盛り上げてほしい」と応援する一方、「どのスポーツも人口減少で競技者を確保できない悩みがある。支えてくれる企業も必要になる」と話した。

 サン・ビレッジ浜田のアイススケート場は、利用者減や老朽化で市が廃止方針を打ち出したが、その後判断を保留にしている。

   (吉田雅史)