【松江】松江市沿岸部で海岸清掃や海洋ごみの現状を伝える若者グループ「しまねLINK(リンク)」が15日、松江市袖師町の島根県立美術館ギャラリーで海洋ごみを使った参加型アートの展示を始めた。来場者は17日午後3時まで作品づくりに参加できる。展示は27日まで。
しまねLINKは島根大の学生と市地域おこし協力隊員として北九州市からIターンした井上雅央里さん(35)が2020年4月に結成し、8人のメンバーが活動する。
メンバーと学生ボランティアが昨夏頃から2月にかけて松江市の鹿島、島根両町の海岸で、流れ着いた漁具やペットボトルのフタなど約500キロを集めた。海洋ごみは選別し、ココナツ洗剤で洗って乾燥させ、会場に並べた。
来場者がごみを動かして縦12メートル、横8メートルの作品にする。渦型のデザインを通して、海洋ごみは人間によって海に捨てられて、ごみを食べた魚などを人間が食べるという循環を表現。ごみを触ったり、じっくりと見たりしながら、作品の真ん中や上から全体を眺める。
井上さんは「海岸にはいまでもたくさんのごみがある。現状を自分事として考えて、新しい気付きのきっかけになってほしい」と話した。 (井上雅子)