小泉セツが、八雲と暮らした13年8カ月を夫の没後に回想した『思ひ出の記』。この本から、怪談をつむぐふたりの営みや八雲の世界観などを垣間見て、連載を閉じたいと思います。

 『思ひ出の記』執筆の経緯は、ハーンの親友のエリザベス・ビスランドとミッチェル・マクドナルドの依頼によるもので、セツ...