血液がんの一つで、ステージ(病期)4の「悪性リンパ腫」を患う雲南市木次町里方の加治川健司さん(54)は、再発を経て治療しない道を選んだ。新聞配達の仕事をしながら家族との時間を大切に過ごし、自分らしく生きる。
東京都出身で、1998年に島根に移住した。2001年に妻の靖子さん(49)と結婚。12年に長女風花さんが生まれた。母親の介護のため東京に戻った半年後の19年6月、朝起きると首に3~4センチのしこりを見つけた。
病院を受診すると悪性リンパ腫を疑われた。東京に移ったばかりで、家族全員が慌ただしい時期だった。自分ががんになったかもしれない現実よりも、靖子さんに伝えることがつらかった。何より、風花さんのことが心配だった。
詳しく検査し、...