JR出雲横田駅(島根県奥出雲町横田)に到着した観光列車あめつち=島根県奥出雲町横田、JR出雲横田駅
JR出雲横田駅(島根県奥出雲町横田)に到着した観光列車あめつち=島根県奥出雲町横田、JR出雲横田駅

 2024年度に観光列車「あめつち」がJR木次線に乗り入れることを受け19日、関係者を対象に試乗会があった。松江駅(松江市朝日町)を出発し木次線に乗り入れ、出雲横田駅(島根県奥出雲町横田)で折り返し松江駅に戻る行程。上り下り合わせて約110人が青い車両に揺られた。

写真特集】あめつち試乗会

 

 試乗会は沿線自治体などでつくる木次線利活用推進協議会が開き、行政関係者や観光協会職員、報道関係者らが参加。木次線を走るのは今回が初めてだった。

 午前8時50分ごろ松江駅を出発。木次駅(雲南市木次町里方)で石飛厚志雲南市長ら沿線自治体の首長も乗車し、出雲横田駅へ向かった。車内では奥出雲ポークなど地元食材を使った試作弁当が配られたほか、仁多米煎餅や雲南市産の桜葉を使用したほうじ茶なども販売。各駅では地元住民らが手や旗を振り歓迎した。

 協議会会長の石飛市長は「車内も快適で予想以上に楽しめた。大きな魅力を持っている車両なので圏域の観光周遊に生かしたい」と強調。JR西日本山陰支社の佐伯祥一支社長は「あめつちの乗り入れを機に沿線の回遊性を高め、地域活性化と観光振興につなげたい」と話した。

 試乗前後には観光バスなどを利用して周辺の観光施設を巡るツアーも実施。内容について意見を集め、効果的な施策につなげる。

 あめつちは2両編成で定員59人。現在は週末を中心に鳥取―出雲市駅間を1日1往復する。木次線乗り入れ後は米子―出雲横田駅を往復する予定。(石倉俊直、山本泰平)