5月19~21日に開催される先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に先立ち、4月下旬に宮崎でG7農業大臣会合が開かれた。気候変動、ロシアのウクライナ侵攻、新興国の食料需要の急増などにより食料危機に対する懸念が国際的に高まっており、同会合では食料安全保障や持続可能なフードサプライチェーンの構築が中心テーマとなった。以前のコラムで紹介した通り、わが国では現在、食料・農業・農村基本法の検証・見直しが進められているが、その内容とも方向性が合致した議論となった。日本だけでなく先進各国が食料の安定的な確保に対して大きな課題を抱えていることが見て取れる。
会合では、G7農業大臣声明に加え、今後取り組む行動をまとめた「宮崎アクション」が発表された。農業大臣声明では1自国の生産資源の持続可能な活用2農業の生産性向上と持続可能性の両立3あらゆる形のイノベーションによる農業の持続可能性の向上-といったポイントが示された。また、宮崎アクションでは「既存の国内農業資源を持続的に活用し、貿易を円滑化しつつ、地元・地域・世界の食料システムを強化する途を追求し、サプライチェーンを多様化する」ことがうたわれている。
双方で、持続可能性とサプライチェーンに関して繰り返し言及されていること、...
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